PSEの「EZ220」システムとは、新しく発売されたコンパウンドボウ「LAZER X」にも新たに搭載された「カムリーン(カムの傾き)の調整」を劇的に簡略化した機構です。
アーチェリーを楽しんでいると、どうしても「矢が思ったより左右に散らばるな」とか「サイトを合わせても何だかスッキリしない矢飛びだな」という場面が出てくるかと思います。
これは弓の精度の問題ではなく、実はタイヤのホイールバランスが少しずれている車のように、弦を回している「カム」という車輪が、ほんの少しだけ左右に傾いてしまっていることが原因であることが多いんです。
この傾きをまっすぐに直して、矢を真っ直ぐに押し出せるようにするのが、このEZ220という仕組みの大きな役目です。
昔ながらのやり方だと、この調整をするためには、弓を大きな機械(ボウプレス)にかけて、カムを支える軸を全部抜いて、中にある小さなワッシャーをピンセットで何枚も入れ替えるという、とても神経を使う大変な作業が必要でした。部品も小さくて見えにくいですし、落として失くしてしまうこともありますよね。
そこを画期的に変えたのが「EZ220」です。この名前の通り、調整が「イージー(簡単)」にできるように設計されています。軸を全部抜かなくても、専用のスペーサーをパチパチと組み替えるだけで、カムを左右にスライドさせることができるんです。これなら、射場で実際に矢を打ちながら「もう少しだけ右に動かしてみようかな」という微調整が、その場ですぐにできてしまいます。
別売りのキットなんて必要ないよ、とおっしゃる方もいらっしゃるかもしれませんが、実はこのキットは「自分の弓を、世界に一つだけの自分専用に完璧に合わせるための魔法の道具箱」のようなものなんです。
標準の状態でも十分飛びますが、使う矢の太さや、その方の引き方の癖に合わせて、わずかコンマ数ミリの単位でカムの位置を最適化してあげると、驚くほど矢が綺麗に飛ぶようになり、弓の振動も減って体への負担も軽くなります。
せっかく良い弓を使っていらっしゃるのですから、我慢しながら打つのではなく、このキットを使って「一番気持ちよく飛ぶポイント」を見つけてあげてほしいんです。そうすることで、今まで以上にアーチェリーが楽に、そして楽しくなりますよ。
道具に振り回されるのではなく、道具を自分の指先の延長のように馴染ませるための、心強い味方だと思っていただくと、その価値が伝わるのではないでしょうか。